トライアンフ3Hロードレーサー仕様
実車について:
1936年、アリエルからトライアンフに移籍したE.ターナーが最初に手がけたのが
TIGER70(249cc)、80(349cc)、90(547cc)のコンペティション・モデル3機種です。
そのツーリングモデルが2H、3H、5Hの地味なOHVモデル達。
その3H(350cc)をタイガー80改造のロードレーサー風に仕上げたという設定です。
1950年代のプライベーターのマシンをイメージして、オーナーの好みで作り上げた
架空のものですからもち論、実車はありません。
改造:
ベースキットはイタリーESCI社の1/9TRIUMPH 3HW(英国陸軍用モデル)です。
改造はいつものようにホイールのスポーク張りから始めます。軍用モデルで真空蒸着メッキ部品は一切ありません。
そのためリムをアルミ箔貼りしてから治具に固定し、虫ピンでスポークを、アルミパイプでニップルを作り張っていきます。
前後輪で80本、機械的な作業ですね。出来上がったら相当太いイメージですが気にしません。
タイヤはキットのものが太すぎてイメージが合いません。
仕方なく、ストックしていたプロターのベネリ250cc4気筒キットからコンバート(岡部さんごめんなさい)しました。
穴空きゴムチェーンもプロター製品を利用しました。
エンジン部もメタル部分をアルミ箔で処理し、虫ピンやらアルミパイプやらでそれらしく。
フェンダーをガシガシ削ってレーサー風にカット。ステーも洋白線で作ります。
タンクのニーグリップがありませんので、同じESCIの3H民間型から型をとってレジンで複製。
シートも幅が広すぎて使えませんので、半分ぐらいに狭めてこれもレジンで作り、いつものように革張りします。
Triumph 3H in Progress
仕上げ:
バックステップに合わせてペダル類を作ります。
もち論ハンドルも、軍用では幅が広すぎて使えませんので2mmのアルミパイプでコンチネンタルスタイルを新造。
レバー類も「エイ仕方ない」とベネリから移植。遂にベネリはジャンクヤード行きです。我ながら勿体ないね。
TANKマークやゼッケンプレートのナンバリングのデカールをパソコンで自作。
塗装は昔ながらのラッカー(グンゼのMr.カラー)です。オーナー大好きの汚しにかかります。
エナメル系黒や銀でベタベタ汚し、赤錆を載せていきます。
「ウーンいいぞ」なんていいながら汚くしてるんですから、あまり趣味がいいとは言えません。
パイピングを済ませ、洋白線でスタンドを作って完成です。
キットについて:
この
TRIUMPH 3HW 軍用モデルのキットは、ガレージ2作目に登場した 
HARLEY DAVIDSON WLA45と同じイタリーESCI社の1/9キットです。
ESCIではこの軍用バイク・シリーズに大きな期待を掛けていたと見え 
マチレスなど他のバイクも計画されていましたが 
あまり売れなかったのか計画倒れになっています。
金型が転々とした一つの理由でしょうね。
何度もいいますがこのシリーズは本当に素晴らしい内容です。順調
に育って 
クラシックバイクのシリーズでも作ってくれたらよかったのになと思います。

プロター社製品も私が大好きなキットで、マニアックな機種選定といい 
ツボを外さない省略といい、まさにバイク好き、模型好きにはこれしかない 
といわせるシリーズが今も揃っています。
30年以上前AIRFIX MAGAZINEで始めてプロターMoto Guzzi V8を見て 
個人輸入で手に入れたときは、嬉しくて狂喜乱舞しました。

この
BENELLI 250cc 4気筒もその頃手に入れた相当初期の製品です。
大好きな昔のキットを2つも使ってこんなモデルを組み立てられるなんて 
なんて贅沢なんだろうと本当に感激しつつ作った1台です。

Special Thanks to: Mr. Kazuo Okabe PROTAR JAPAN

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